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中近両用メガネは、中距離用の度数と近距離用の度数が1枚のレンズに入っているメガネのことです。遠近両用メガネは遠方~中間~近距離が見えるように設計されていますが、中近両用メガネは中間距離と近距離の見え方に重点おいたメガネを指します。
中近両用メガネは、老眼の方が屋内で過ごすときに中距離と近距離をストレスなく見るために使います。中近両用メガネにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
今回は中近両用メガネのメリットとデメリット、利用シーンについて解説します。
中近両用メガネのメリットは手元の視野を広げられること
中近両用メガネのメリットは、手元の視野を広く確保できることです。遠近両用メガネに比べると、近くのものを見るときにより自然に近い見え方で、さらに広い視野を確保することができます。
50cm~70cmの視野を広く確保できるため、室内でのパソコン作業が多い方や、自宅で過ごすことが多い方にとっては、日常生活で便利に使えます。中近両用メガネをかけて生活すれば、ストレスをあまり感じずに快適に生活できます。
遠近両用メガネは、遠方の視野を充分に確保しながら近距離も見えるように作成するため、遠用度数と近用度数の差が大きくなり中間~近距離の視野が狭くなってしまいます。しかし中近両用メガネは中間~近距離に広い視野を確保できるように設計されているため、自宅や事務所内などでは視線移動が楽になり、特に長時間のデスクワークなどでは遠近両用よりもはるかに使いやすくなります。
広い視野を確保しながらも、歪みや揺れが生じにくいので、手元の作業をする際には快適に作業を進めることができるのです。
【デメリット】中近両用メガネは外出時の利用に向いていない
中近両用メガネは、遠距離を見やすくするためのものではないため、外出時の利用にはあまり向いていないので注意が必要です。どのようなシーンで向いていないのか、中近両用メガネのデメリットについて紹介します。
運転時は使用できない
中近両用メガネは、中距離と近距離に特化したメガネなので、遠方を見る必要がある運転時の使用はできません。遠くを見るとピントが合わず、ぼやけてしまうため運転時の使用はリスクが大きいのでNGです。
中近両用メガネでは、遠くの様子が見えず、瞬時に状況を判断することができません。運転中は一瞬のよそ見が命取りになります。中近両用メガネを着用した状態での運転はしないでください。
1日の中で運転をする必要があり、かつ室内での作業やデスクワークをする方は、遠近両用メガネと中近両用メガネの併用が必須です。利用シーンによってかけ替えて使いましょう。
映画鑑賞や観劇はストレスを感じることがある
室内で物を見るのに適しているのが中近両用メガネですが、映画鑑賞や観劇など広い室内で遠くを見る必要がある場所では、見えづらさにストレスを感じることもあります。
映像がまったく見えないわけではありませんが、字幕を読むことや、俳優の表情を楽しむことは難しいでしょう。また、ウィンドウショッピングなどで店を探す場合に、看板などの文字を読みながら探すのも困難です。
ぼんやりとは読めるかもしれませんが、遠くの文字を読むときに不便さを感じます。
【中近両用メガネ】使用目的を明確にすることが重要
中近両用メガネを快適に使うためには、使用目的の明確化が重要です。遠近両用メガネと違い、中近両用メガネは限定的なシーンで効果を発揮するものであるため、どんなシーンで中近両用メガネを使うのかを決めておきましょう。
例えば、スマートフォンでレシピを見ながら料理をする、自宅でテレビを見ながらPC作業をするなど、自分の生活の中での利用シーンを想定することが大切です。
中近両用メガネの利用シーンを明確に想定しておかないと、メガネをつくった後に中途半端な見え方のメガネになってしまうおそれがあります。そうすると、近距離と中距離の視界を広く確保し、快適に生活するというメリットを得られなくなってしまうのです。
中近両用メガネのメリットを最大限に活かすためにも、メガネをつくるときはどういったシーンで使いたいのか具体的に検査員に伝えましょう。
中近両用メガネの利用に適したシーン
実際に、中近両用メガネはどういったシーンでメリットを最大限に発揮できるのでしょうか。ここでは、中近両用メガネの想定される利用シーンについて紹介します。
料理や読書などの趣味
中近両用メガネは、料理や読書など手元での作業で使うのに向いています。いくら集中していても、ふとしたタイミングで顔を上げて手元から視線をそらすこともあるでしょう。家の中で過ごす場合、ちょっとした合間に目をそらしたり視線を動かしたりすることが頻繁にあります。
そうした瞬間でも、中近両用メガネなら違和感を覚えにくく、スムーズにピントを合わせることができます。家の中で趣味の料理や読書を楽しむ時間が多い方には、中近両用メガネがおすすめです。
室内で過ごすのであれば、ちょっとした視線の移動によるピントのズレにストレスを感じにくいでしょう。
近・中距離を見ることが多い職種
デスクワークが中心の仕事をしている方や、室内での接客やレジ用務、販売など、限られた範囲内で文字を読んだりお客様の顔を見たりする仕事の方にも向いています。結婚式場のような広い室内でなければ、手元の作業とお客様との対話は違和感なくできるでしょう。
また、美容師など手元を室内の鏡や器具や機械などを見ることが多い方も、中近両用メガネが便利に使えます。
ただし、中近両用メガネはあくまでも老眼を感じ始めた年齢の方に限定して効果を発揮します。老眼が入っていない近視や遠視、乱視の方には中近両用メガネは見づらいだけで向いていません。
老眼の方が中近両用メガネをつくる際には、PCを見るのに適した度数を入れたものだとより快適に使えます。どういったシーンで使いたいのかをよく考え、実際に使うシーンを想定しながら見え方を調整してもらいましょう。
ライフスタイルに合わせて遠近両用メガネと使い分けることもおすすめ
日常生活において、中近両用メガネだけではカバーできないシーンも出てくるので、遠近両用メガネとの併用がおすすめです。ライフスタイルや使用シーンに合わせて、遠近両用メガネと中近両用メガネを使い分けると快適な生活を送ることができるでしょう。
特に、遠近両用メガネの加入度数が上がってしまい、パソコンやスマートフォンの操作や料理など手元の作業の視野が狭くなったと感じている方にはおすすめです。
中近両用メガネを使う際のデメリットを解消するには、使用シーンに合わせて他のメガネと併用することが有効です。運転をするとき、映画鑑賞やコンサートなど遠くを見ることがあるときなど、外出する際は基本的に遠近両用メガネを使うと良いでしょう。
中近両用メガネの選び方にお悩みの方は、メガネのヨネザワにご相談ください。来店予約時に眼鏡作製技能士の接客をご予約いただければ、専門家がよりあなたに合うメガネをご提案させていただきます。
まとめ
中近両用メガネは、40代以上の方で、室内で過ごすことが多い方におすすめです。特に手元の見え方に不安が出始めた初期老眼世代のメガネとして非常に便利なメガネです。運転には向いていない上、映画鑑賞や観劇など外出先によっては、見えづらくてストレスを感じる可能性もあります。
家やオフィスの中では中近両用メガネ、外出の際には遠近両用メガネというように使い分けたり、仕事のときだけコンタクトの上から中近両用メガネをかけたりすると、より快適な生活を送ることができるでしょう。