10 先輩のお陰で

先輩のお陰で

私は“年上の方は偉い”とする、心構えで日常生活を過し会社経営をやっています。

生きることの大切さを知れば知るほど、私より長く生きた、その人を尊いと思う、生きることは、掛け替えのないもので、その尊さに区別はない、ましてや職業、地位、名声などの評価は、長く生きたことの評価からすれば、遥か微々たる事である。いくら高い能力があろうとも、生きていてはじめて能力を活かす事が出来る、死んだら何も出来ない。

私は生まれて間もなく病気になり、障害を持っている。子供の頃から周囲の元気な先輩方にいつも助けられ、お世話になる度に先輩方が尊く見えた。

学校では先輩方が皆偉く思え、後姿から多くを学んだ。社会に出て働き出すと先輩方の指導を仰ぎながら成長させて頂いた。ありがたく感謝せずにはいられない。

三十歳で現在の会社を夢膨らませ創業した。毎日一生懸命働く事に必死で、将来の夢には程遠い現実の厳しさがあり、長く続いている先輩会社が羨ましく、尊く見えた。

そして今、多くの先輩方の犠牲の上に成り立つ平和な社会に自分は生かされている。

先輩方こそ尊いという心構えを私の人柄にしたいし、家庭では家風に、会社では社風にしたいと希っています。 若くして組織上の長になったら、部下の年長者に対しての言葉遣いには特に注意し、温故知新の力を頼りに組織の活性化を計ります。組織は戦略や計画を進めるための一時的なもので、上司や部下の関係は戦略や計画によって、いつでも変更できる、その度に言葉遣いや態度が横柄になると見苦しい。若い人達が先輩を大切にする姿は実に美しい。