第四十一話 商業界ゼミの運営委員長に
商業界全国ゼミナールで運営委員長を務めた米澤さん(左)と談笑する倉本初夫主幹=2013年2月、東京
平成25年2月19日から21日の3日間、第81回商業界ゼミナールが東京で開催されました。
商業界ゼミは毎年2月全国の商業者が集まり、本ゼミとして開催されます。地方ゼミは全国各ブロックに分かれ、九州では9月に開催されます。
その本ゼミの「運営委員長をやりなさい」との倉本初夫主幹からの命令でした。本ゼミは1年以上前から準備し大変な責任です。あいさつする機会も多く、私にとって最も苦手なことで、役員会で委員長はお断りしたはずでした。
年が明けた正月、倉本主幹が直接の電話をしてこられ、「来年の本ゼミの運営委員長をやりなさい。あなたの言いたいことは分かっている。だからやりなさい」。倉本先生は私にとって神様みたいな方です、つい「ハイ」と応えてしまいました。
倉本先生にはどもりがバレないように、今日まで接してきたのですが、先生は私が足に障害があり、吃音の原因にもなっていることをよく理解しておられ、それを承知の上で「ゼミナールで苦手なことに挑戦しなさい。あなたにとって商業界は研修の場ではないか」と諭すようにおっしゃいました。
運営委員長の最大の責任は、全国の商業者に役に立つゼミナールであること。実績と伝統を汚さぬよう心がけました。メーンテーマは「小さく、狭く、濃く、深く、狭小商圏顧客創造 地域密着」にいたしました。
商店街は日本全国、大型ショッピングセンターに席巻されて疲弊し、やむをえずショッピングセンターのテナントなどになって営業を続けています。
その現状を打破したい全国の委員の方々の意見を集約し、大型店の弱点である「小さく、狭く、濃く、深く」を探求する全国の成功事例を発表していただきました。好評だったと思います。
受講者は全国から800人。うち熊本から100人。全国のメガネ関連の方が100人。ご協力および受講者として参加していただき、大変恐縮いたしました。
倉本先生から誉められ、感謝状をいただきました。先生はその年の12月に亡くなられました。私にとって最後のご指導であり、最も勉強させていただいたゼミナールでした。